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マズローの法則はデザインのヒントになるのか?その活用方法とは?

マズローの法則はデザインのヒントになるのか?その活用方法とは? こんにちは、最近人類史にハマっているデザイナーのachanです(特に人間とデザインの関係)。

人間の行動の動機づけとなる源は欲求です。欲求といえば、マズローの法則」があります(または「マズローの欲求階層説」と呼ばれる)。元々は心理学で使われていた用語で、現在ではマーケティング経営学看護学でも使われるようになっています。

今回は、その法則についてデザインの観点でお話しできたらと思います。

マズローの法則とは

アメリカの心理学者マズローが、「人間の欲求について自身の解釈を明らかにし、欲求が基本的なものから複雑なものへと、階層を形成していること」を提唱しました。

マズローの欲求階層説
マズローは、この欲求の階層においては、下位の欲求が満たされない限り、上位の欲求が前面には出てこないとしました。
各欲求について、要点を以下にまとめます。

  • 第1階層「生理的欲求」…… 生きていくための基本的・本能的な欲求。例:「呼吸」「食欲」「睡眠欲」
  • 第2階層「安全・安定欲求」……「身体」「雇用」「家族」「健康」「財政」の安全に対する欲求
  • 第3段階「所属と愛の欲求」…… 社会的な欲求。例:「友人関係」「家族」「性的関係」 に対する欲求
  • 第4段階「承認欲求」……「自尊心」「他者からの信頼」「他者からの尊敬」に対する欲求
  • 第5段階「自己実現欲求」……「正義感」「達成感」「自発的である」「問題が解決できる」状態に対する欲求
  • 第6段階「自己超越の欲求」……見返りを求めず、他者への献身や平和などを目標にして行動する状態

デザインのヒントになるのか

ユーザーインタフェースから考える

ユーザーインタフェース(UI)を「マズローの法則」に置き換えると以下のように考えられます。

  • 上位階層の欲求=UIの「創造性」や「楽しさ」
  • 下位階層の欲求=UIの「機能性」や「使い勝手」

しかし、デザイナーのみならずWebやアプリの制作者は下位階層の欲求を飛ばし「創造性」や「楽しさ」を求めてしまう傾向があります。
UIの「機能性」や「使い勝手」などの基本的な部分が整っていないデザインは、上位階層の「創造性」や「楽しさ」を獲得することは出来ないわけです。

f:id:aimstogeek:20210122101706p:plain 例えば、使っているUIがミスを誘発する構造になってしまうと、安全・安定欲求を脅かすことになります。
操作がうまくいかず困り果てた時には、誰かに頼りたくなり、そこでいろいろなメッセージやヘルプ、マニュアルなどが大きな支えになります。

一方、表示するメッセージがユーザーを尊重したものでなければ、ユーザーにはストレスになります。さらに、作業のゴールがわかりにくい業務システムであれば、達成感を得たいという欲求が満たされず、ユーザーに不満が生じやすくなります。

つまり、ユーザーの体験価値を最大化するために、UIを検討、デザインするうえでは、時々これら人間の欲求の観点に立ち返って考えることが重要だと思います。(例えばUIの情報構造や要件定義、ビジュアル設計などの参考になるのではないかと思います。)

サービスから考える

サービスやプロダクト開発に携わる人ならば、「ユーザーファースト」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。言葉通り、ユーザー第一主義のことであり、利用者の利益や満足度を最優先する考えを指します。ただし、それはユーザーの声をそのまま鵜呑みにして開発に反映するという意味ではありません。
なぜなら、本質のユーザーファーストというのは、ユーザーが本当に求めている価値(本質的欲求)を実現することなのです。

また、物やサービスに溢れ同質化が進む現代では、「機能中心」から「人間中心」的なアプローチへ変わってきています。要はユーザーは利便性などの「役に立つ」という機能価値よりも、もっと感情的、内省的な「自分にとって意味があるか」という情緒価値を求めるようになってきています。 そのため、サービスやプロダクトのデザインにおいては、マズローの法則を活用し、競合との差別化を図ってサービスの提供価値を優位にしなくてはいけないと考えています。

言い換えると、昨今では、生存に必要な大体の欲求は既存のサービスによって満たされてしまっています。そのため、新規サービスを考える場合はより高い階層の欲求にアプローチするか、あるいは既存のサービスにおけるユーザーが価値を感じる対象を再定義し、マズローの法則を元に新しいアプローチで勝負を挑むことになるのではないかと感じています。

どう活用するのか

マズローの欲求階層説と同じく、スティーブン・ブラッドリーがデザインにおいても、下から機能性、信頼性、ユーザビリティ、上達、創造性の欲求という5階層のピラミッドが形成され、より上位の欲求に移る前には下位の欲求を満たす必要があるかを提示されています。現在は一つのデザイン指針としてデザイン戦略においても活用されています。

デザインの欲求階層説

  • 第1階層「機能性の欲求」…… 基本的な機能性を満たす欲求
  • 第2階層「信頼性の欲求」…… 機能・デザインに一貫性を持たせることで信頼性を満たす欲求
  • 第3段階「ユーザビリティの欲求」…… 使い勝手の良さを実感することで 愛着を持つようになる欲求
  • 第4段階「上達の欲求」…… 作業効率を改善し生産性を満たす欲求
  • 第5段階「創造性の欲求」……自分なりにプロダクトを駆使することで愛着を深めていく欲求

上記から、デザインが先走って革新性や創造性ばかりを追求すると、機能性、信頼性、ユーザビリティ、そして上達に対する配慮が欠けてしまうことになります。しかし「デザインがいいのだから、多少のことは我慢しよう」とユーザーに思われてはいけないということが見えてきます。
(具体的なデザインに落とすための方法は今後の記事にご期待ください)

まとめ

デザインを考える際は人の心を理解し寄り添っていくことが良質なUI、ひいては素晴らしいユーザー体験に繋がることが見えてきます。繰り返しになりますが、ユーザーの心理的欲求を満たすようなデザインを作ることが、サービスやプロダクトを継続的に使用してもらえるきっかけの一つになるでしょう。
もちろん、全てを満たす完璧なレベルのデザインができるようになるには長い時間がかかるでしょうが、目標を常に高く持って、ユーザーの本当に求めている価値の実現に少しでも近づいていけたらと思います。


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