こんにちは。クイックSREチームのみっちーです。
弊社SREチームでは円滑な事業推進に寄与することを目的として、
各プロダクトを横断して「サービス全体の品質を担保する」ことをミッションの1つとしています。
サービス全体の品質を担保するには、
いま現在10以上存在する各サービス特性や、その運営チームとも活発に会話をしながら進める必要があります。
お互いの期待値を合わせ、かつ共通の目標に向かって力を合わせることは難易度が高い反面、やりがいにも繋がると思っています。
さてそんな日々の中で、この記事を書こうと思うきっかけとなる「案件A」がありました。
案件Aは既存サービスのシステム更改作業で、
ユーザーの増加に伴って追加開発が必要となったものの、システム全体が陳腐化していて、開発効率が悪い状態を改善しようというものでした。
SREチームとサービス運営チームとの共同作業でしたが、
お互いの意思疎通がうまく行かず手戻りが多く発生し、結果としてリリース内容のそぎ落としや延期も起きてしまいました。
後日の振り返りで「大事なのはここだよね」という結論に至ったので、
この場を借りて発信していきたいと思います。
結論:(目的を理解した上でアウトプットの)期待値を揃える × マイルストーン毎に繰り返す
突然ですが「業務とは、あなたにとってどのようなものですか?一言で答えてください」と聞かれたら、 みなさんはどのように答えますか?
私であれば、 業務とは「目的達成のために、任された責任範囲においてゴールとスタートをつなぐ『道を整備する行為』だ」と答えます。
道を整備する上で、重要となるのは以下です。
責任範囲の明確化
- 期待値されていること : 何をしてほしくて、どこまでを任されているのか
- 期待値されていないこと: 何はしてほしくなくて、どこから先は任されていないのか
位置関係の明確化
- 目標 : ゴールはどこか
- 中間チェックポイント: マイルストーンはどこか
- 現在地 : スタートはどこか、いまどこか
持ち時間の明確化
- 期日 : いつまでにゴールする必要があるか
手段の明確化
- 選択肢 : どのような道をたどるか
- 選択肢の制限事項: 通れない道はあるのか
これらは、一言でいえば「アウトプットの期待値を揃える」ことだと私は思います。
これらがズレることで成果に繋がらないことや、手戻りが多く発生する原因となってしまいます。
また運よく成果に繋がったとしても、理由が整理できていないと次回以降の成果の再現性に繋がりません。
そういった意味でアウトプットの期待値を揃えることは、非常に重要だと考えています。
解釈の余地を極力減らす
人によって異なる意味で受け取られる表現は避けましょう。
例えば以下のような表現です。
- 追加費用が少しかかります。
- ➱ 追加費用が¥10万(税抜き)かかります。
- 今日中に資料を提出してください。
- ➱ 今日の18:00までに、私宛に、メールで資料を提出してください。
5W1Hを意識することで減らせます。
マイルストーンの重要性
スタートとゴールの距離が遠いケースでは、マイルストーンの設置をおすすめします。
設置することで「期待値に合っているか?」を確認する指標となります。
これにより以下のようなメリットが生まれます。
- 手戻りの発生回数が減る。
- 手戻りが発生しても、短時間で軌道修正できる。
- 手戻りが少ないので、トータルの所要工数が少なくて済む(予定通りに着地しやすい)
その一方でマイルストーンを設置しすぎると、チェック工数が増えるというデメリットが生まれます。
メリットデメリットを理解した上でうまくバランスをとりましょう。
マイルストーン設置のコツ
人によって様々なやり方があると思いますが、
コストパフォーマンス観点から、私は「二分探索法(バイナリサーチ)」に似た方法を使っています。
二分探索法とは…
要素が昇順(または降順)に並んでいる配列に対して高速に探索できるアルゴリズムです。
調べる範囲を半分に絞りながら探す方法なので、2つ(バイナリ)に分けて探索することから、バイナリサーチといいます。
1.まずスタートとゴールとの真ん中辺りに、大まかにマイルストーンAを設けます。
2.次にスタートとマイルストーンAとの真ん中辺りに、マイルストーンBを設けます。 3.同様に、スタートとマイルストーンBとの真ん中辺りに、マイルストーンCを設けます。
必要に応じて、各地点の中間にマイルストーンを更に追加してもいいでしょう。
そのうえで業務を開始するタイミングや各マイルストーン地点へ到達したタイミングを中心に、ステークホルダーとすり合わせをすると良いです。
なおスタート付近にマイルストーンを多く置くのは、ズレが小さいうちに修正できるチャンスを増やす狙いです。
お互いの意識が合ってくると、すり合わせる回数は減らせると思います。
最後に
業務は自分ひとりで行うわけではありません。 みんなで分担して、みんなで成果につなげていくものだと思います。
当然、自分が「これで完璧!」と思っても、
ステークホルダーからは「やり直し」と言われることもありますよね。
正直あまり気持ちのいいものではないと思いますし、できればやり直しはゼロにしたいですよね…
こういったことが起きないようにするには、。
発生のメカニズムを知って、その原因を地道に取り除くのが一番の近道ではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございます!
今回は「少ない時間で多くの成果:期待値を揃える × 繰り返す」ことの重要性についてお話しました。
少しでも、みなさまの日々の業務進行の助けになれば嬉しいです。
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