株式会社クイックのWebサービス開発blog

HAPPYなサービスプランナー・エンジニア・デザイナーのブログです。

シックス・マインドを知るとユーザー理解が捗る?

こんにちは。ソフトウェアエンジニアのPONです。
みなさん最高の体験ができるサービスを作りたいですよね?
そのためにはユーザーが真に求めているものを把握する必要があると思います。

書籍「脳のしくみとユーザー体験 認知科学者が教えるデザインの成功法則」で紹介されているシックス・マインドを知るとユーザー理解のヒントになるかもしれません。

なんでエンジニアが認知科学

日々ユーザーのことを想ってサービスを作りたい! しかし業務を遂行していく中でふとこんなモヤモヤが生まれました。

毎日隈なくサイトを回遊している自分と 必要な時にサイトを使うユーザーは 感じ方が違うかも?

日々サービスと対峙する中で自分なりにユーザーのことを考えて作っているけどどうしても主観で考えすぎているような気がしました。

ユーザーと対話したり情報を得た時も自分の認識のバイアスがかかってしまいそうな気がして、より本質をより捉えられるようになりたくて人間の認知について勉強してみたくなりました。

シックス・マインドってなんぞ?

人間の脳内では1分間に数百もの認知プロセスが発生しています。 認知科学博士のJohn Whalen氏はサービスのデザインとの関係性に基づいて整理すると以下の6つの要素に絞り込めるとし、それらをシックス・マインド としました。

  • 視野/関心
  • 空間認識
  • 言語
  • 記憶
  • 意思決定
  • 感情

これらのプロセスはいったいどんなもので、どんな機能を持っているのでしょうか。

視野/関心

人は瞬間的に情報を知覚します。
しかし視界の中心から数度離れてしまうとその情報は簡略化してしまいます。
例えば、今みなさんの目の前にあるパソコンを視界に捉えたとして、「パソコンだ」と知覚した時、その周囲に何を置いているかはぼやけてしまいます。でもなんとなく何があるかわかるのは、過去の体験から脳が補完してくれているからです。
故にここに何かがあるはず!と他の情報に目を向けられるわけです。

視線を誘導したい場合特徴的なものを置いて関心を集めたりしますが、見る物の優先度がない場合ユーザーは過去の体験から作られる固定観念によって次に見る物が決定されます。

情報整理を行っている際にどの要素も重要で全部が強調されてしまう状態に陥ることがあると思うのですが、過去の体験の固定観念に乗っ取った誘導ができればスムーズに情報提供ができるなと思いました。

空間認識

優れた体験を生み出すには自分の居場所を認識し、どうすれば移動できるかを理解できていることが重要です。
現実世界は人間に馴染みがありますが、仮想世界は空間認識を伝えるヒントが少なく、空間移動の手段も多様にあるため仮想空間上でどう動くか、どんな動きが許されると思っているかを知る必要があります。

サービスのリニューアルでいわゆる「改悪」とされるものもユーザーが今まで培ってきた空間認識が固定概念化し、想定から外れた結果生まれる不満であると思います。 書籍では、改修した結果ユーザーの培ってきた想定から外れたUIになってしまい反感を買ってしまった例としてスナップチャットが挙げられていました。

言語

知識の差で情報に対する理解度は大きく異なります。
故にユーザーが使っている言葉を把握しレベルを合わせる必要があるのですが、口から出る言葉が必ずしも誰にとっても同じ意味を持っているわけではありません。

私自信単語をニュアンスで覚えるところがあり、先日組織について話し合うワーク中に「集合知」や「洗脳」の言葉の認識がずれていて議論が停滞してしまうことがあったので、言語のレベル感を合わせた情報提供はめちゃくちゃ大事だなと思いました。

記憶

人間は様々な想定に基づいて行動しています。
何かを認識した際は見たものをそのままではなく脳内ストックにある抽象概念や固定概念によって補完し、細部は省いてしまいます。
サービスに対してもユーザーの想定があり、それに沿った提供ができるとスムーズに受け取ってもらうことができます。
ユーザーの想定とズレる場合は混乱する部分を予測して、対策を用意する必要があります。

意思決定

ユーザーの望みは目標を達成して決断することです。
思考の途中で生まれる疑問や不安に対する答えを用意しておく必要があります。
一口にユーザーと言っても初心者からベテランまで状況が各々違い、抱えている問題も様々です。
ユーザーの状況を見極めて思い込みを排除しながら意思決定をするための情報を整理してあげる必要があります。

感情

人間の体験や思考には少なからず感情の影響を受けます。
理想的な条件が整えば論理的な判断もできますが、大体の場合はよく考えて意思決定を行うのでは無く、与えられた選択肢の中で正しいと"感じる"選択肢を選びます。
ユーザーにとって最良の選択をしてもらうためにも、感情に左右されず論理的に正しい判断ができるように脳のリソースを食わない情報提供をしなければなりません。

シックス・マインドどうやって使う?

ユーザーの行動や発言には理由がありシックス・マインドはその裏側を知る手掛かりになります。
以前、ユーザビリティテストを実施した際にお気に入りボタンが全く押されないという結果が得られました。
当時は視認性が悪いから押されないのだろうと自分の中で早々に結論付いてしまったのですが、今にして思うと

  • 気になるボタンを押したくなるタイミング(関心があるタイミング)に気になるボタンが存在しないから探させてしまっているのではないか
  • 過去の体験からユーザーに何かしらの想定(例えばお気に入りは下部に追従されて常に存在するモノという想定)があって探させてしまっているのではないか
  • 気になるボタン近くにある要素が強調度が強いと視界に入りづらい・・?

などなど色々考えられると思いました。

最後に

今回はシックス・マインドの紹介に留まりましたが、
書籍ではコンテクチュアル・インタビュー*1を通じて得た結果からシックス・マインドを基準に整理しユーザーの真意を分析する方法や、分析結果を元にサービスをより良くしていく方法を多数の具体例を交えて解説されていて大変興味深かったです。
今後も様々な視点からユーザーの内なる声をキャッチして真のユーザーファーストなサービスをつくっていきたいなと思います。


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919.jp

*1:コンテクスチュアル・インクワイアリ:ユーザーが実際に製品を利用している現場におもむき、(コンテキスト)利用状況の観察やインタビューを行うことで、ユーザー行動の根底にある潜在的なニーズを明らかにする調査手法