初めまして。
サービスプランナーの"まー"です。
これからちょこちょこ登場しますのでどうぞよろしくお願いします。
それでは早速ですが本題に入っていきたいと思います。
「この仕事いつまでに終わりそう?」
「この仕事~までにお願いできる?」
日々仕事をしているとこんな感じで作業の完了目処や対応可否を
聞かれることはよくあると思いますが、後になって
「思ったよりも大変。。引き受けるんじゃなかった。。」
と後悔した経験がある人も少なくないのではないでしょうか。
でもそれって、作業量をより正確に見積もることができれば
避けられる or ダメージがより軽減できたはずですよね。
ということで今回は作業の見積もり方法についてご紹介しようと思います。
見積もり手法の種類
見積もり手法には大きく3種類あります。
(1) 類推見積もり
1つ目は類推見積もりです。
これは過去の類似作業との比較から,作成するものの規模や作業時間(工数)を類推する方法です。
例えば、
「人参、じゃがいも、たまねぎ、豚肉が入ったカレーを50人分作るのにかかる時間」
を類推見積もりで見積もるとこんな感じになります↓
過去に10人分を作ったときは2時間、100人分を作ったときは20時間かかった。
だから50人分を作るのにかかる時間は大体10時間くらいだろう。
ざっくりと見積もるイメージですね。
作業を詳細には検討しないので比較的早い段階で見積もることができますが、
やはりざっくりなので精度は低くなってしまいます。
(2) 係数見積もり
2つ目は係数見積もりです。
これはあらかじめ決められた計算モデルをもとに工数を算出する方法です。
例えば、先程と同様
「人参、じゃがいも、たまねぎ、豚肉が入ったカレーを50人分作るのにかかる時間」
をこの方法で見積もるとこんな感じになります↓
これまでの経験からカレーライスを作るのにかかる時間は、
時間 = 具材の数×0.3時間+人数×0.2時間
の式で求められることが分かっている(仮定です)。
なので見積もりは今回の具材の数4種類、人数50人をこの式に当てはめて、
= 4×0.3+50×0.2
= 11.2時間
数学的に見積もるイメージです。
比較的高い精度で見積もることができますが(モデルの精度によりますが)、
計算モデルを適用できる作業しか見積もることができないのが難点です。
(3) ボトムアップ見積もり
3つ目はボトムアップ見積もりです。
これは作業をより詳細な作業に分解して見積もり、後でそれらを合算する方法です。
例えば、先程と同様
「人参、じゃがいも、たまねぎ、豚肉が入ったカレーを50人分作るのにかかる時間」
をこの方法で見積もるとこんな感じになります↓
カレーを作る手順を書き出す↓
・野菜をカットする
・具材を炒める
・ルーを入れ煮込む
・盛り付ける
この手順ごとに工数を見積もる↓
・野菜をカットする:1時間
・具材を炒める:5時間
・ルーを入れ煮込む:4時間
・盛り付ける:0.5時間
合計する↓
1+5+4+0.5=10.5時間
非常に高い精度で見積もることができますが(見積もる人の経験によりますが)、
紹介した3つの方法の中で最も難易度が高いです。
ここからはそんなボトムアップ見積もりについて少し深掘りしてみたいと思います。
ボトムアップ見積もり
ボトムアップ見積もりの手順は
①作業を細分化する
②個々の作業工数を算出する
③全作業工数を合算する
という3ステップで、方法自体はいたってシンプルです。
ただ、①作業を細分化する、②個々の作業工数を算出するにはいくつかのコツがあります。
①作業細分化のコツ
(1) トップダウンとボトムアップを意識する
1つ目のコツはトップダウンとボトムアップを意識することです。
トップダウンというのは、ある作業をより細かい作業に分解することを指します。
ボトムアップはその逆で、いくつかの作業を包括するより大きな作業単位を考えることを指しています。
ボトムアップをカレーを作る例で説明すると、
"人参をカットする"と"じゃがいもをカットする"という2つの作業から
"野菜をカットする"という一つ上のカテゴリの作業を考えることに対応します。
このトップダウンとボトムアップを繰り返し考えることで作業はどんどん細かくなっていきます。
例えばこんな感じ↓
"人参をカットする"
、"じゃがいもをカットする"
↓(ボトムアップ)↓
"野菜をカットする"
↓(トップダウン)↓
"人参をカットする"
、"じゃがいもをカットする"
、"玉ねぎをカットする"
(2) インプット→処理→アウトプットを意識する
2つ目のコツはインプット→処理→アウトプットを意識することです。
あらゆる作業ほぼ必ず"インプット→処理→アウトプット"という図式になります。
このときインプットの準備と処理環境の整備はタスクになることが多いのです。
例えばカレーを作る場合でいうと、
インプットは調理方法や食材、処理は調理になるので、
インプットの準備=調理方法を考えておく、食材を買う
処理環境の整備=キッチンの確保、調理器具の準備
のようになります。
前述のトップダウンとボトムアップが作業の上下を意識する考え方だとすると、
こちらは作業の前後を意識する考え方といえます。
(3) テンプレートを使う
3つ目のコツはテンプレートを使うことです。
大体の作業は基本的なやり方が決まっています。
それをテンプレートして利用するのです。
例えば料理の場合は下ごしらえ、調理、盛り付け、片付け、
システム開発の場合は要件定義、設計、開発、テスト
といった具合です。
これらをもとに、トップダウンとボトムアップを繰り返し行い、
また作業のインプット→処理→アウトプットを意識することで
作業を詳細化していくとスムーズに作業を洗い出すことができます。
②工数算出のコツ
(1) 多めに見積もる(1.2倍、1.5倍など)
1つ目のコツは多めに見積もることです。
見積もりには大なり小なり必ず誤差が発生しますし、
想定外の事態が起こることもよくあります。
それを想定し予め多めに見積もっておくのです。
ではどのくらい多めに見積もるのか?ですが、
それは見積もる人の経験や傾向にはよるのですが、
一般的には1.2倍や1.5倍のようにすることが多いです。
(2) 作業者を具体的に思い浮かべる
2つ目のコツは作業者を具体的に思い浮かべることです。
自分の作業を自分で見積もるのであれば意識する必要はないですが、
誰かに依頼したい作業を見積もる場合、誰でも同じ工数で対応できるわけではないので
自分を基準に見積もってしまうと誤差が生じてしまう可能性があります。
なので事前に「この作業はあの人に依頼しよう」と決めてから、
その人が作業したらどれくらいかかるのかを見積もるようにしましょう。
さいごに
見積もり、特にボトムアップ見積もりは難易度が高いし面倒ですが、
作業をこれでもかと言わんばかりに洗い出して、見積もって、スケジューリングまで
できてしまうと妙な掌握感が生まれるんです。
「この作業・プロジェクトはもう俺の手中にある」みたいなw
私はその感覚が好きなので、これからも少し面倒なのを我慢して見積もっていきたいと思います。
ではでは。
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