こんにちは。 コピーライター兼デザイナーとして働いています、ケイです。
ふだんは広告を中心としたwebまわりのクリエイティブが主戦場のわたくしですが、 趣味のDIY・リノベが高じ、われらWeb室のオフィスインテリアをデザインさせていただきました。
自分たちのオフィスを自分たちで考える体験は、とても楽しく有意義なものです。 ですが、思い描いたものを即座にカタチにできるかというと…そこには様々な制約がつきまといます。
予算や納期や…メンバーそれぞれが考える「働きやすいオフィス像」の食い違い。 さらに最大の障壁と言って良いのが、法律やビル側の規約といったハード面の制約です。 これがなかなかに手強いもの。
どれほど手強いかというと… 「ウッド調にしたいから木の板を壁に貼ろう」 「ブラインドの色を変えよう」 といった、一見なんの問題もないことさえ、NGになってしまうケースがあるのです。
今回は(どのくらい需要があるのか謎ですが)、そんなオフィス空間を作る上でぶつかりがちなハード面の制約について、ご紹介したいと思います。
建築基準法・消防法により素材が制限される
「建築基準法って、建物の強度や外観といったビルそのものを建てるときの話じゃないの?」 …と思いがちですが、消防法の内装制限という決まりとともに、内装に使用して良い建材を定めています。 簡単に言うと、火事にそなえて燃えにくい素材を使いましょうね、ということ。
ですから、上でお話したように天然の木板をそのまま使用するのは不可。
一見、壁や床に木目を多分に取り入れているこのオフィスですが、この基準を満たすために、
難燃性のビニール素材でできたフィルム
塩ビタイル
燃えにくく特殊加工された天然木
の3種類を使い分けています。
ビル側にもルールがある
法律だけでなく、ビル側にも当然ルールがあります。 「そんなの当然でしょ」と思うかもしれないですが、ルールはビルによって様々で、隣のビルならOKなことが、このビルではNG…ということも少なくありません。
賃貸アパートであれば、勝手に壁を塗ったり、壁に小さい穴を空けたりできないことは想像できますが、オフィスの場合どこにNGラインがあるのか、ちょっとわかりづらいですよね。 確認すると意外と「えっ、これダメなの?」というルールがあるため、なるべく早く契約内容やオーナーの意向を確認しておくことが大切です。
参考までに、私たちがオフィスを作る上で直面した事例の一部をご紹介します。
どんなに小さな穴も壁には空けちゃダメ
壁に時計をかけている、というのはよくあるオフィスの風景です。 なので原状復帰さえすれば壁に釘を刺したりするのはOKかと思いきや…私たちの入居しているビルでは、ビル壁に釘やネジや画鋲を打つことは禁じられていました。 時計を掛けたり、本棚を固定したりする予定がある場所には、ビルの壁の上に板を貼ったり、ふかし壁を別に建てることが必要です。
ブラインドやカーテンの色にもご注意を
テナント入居者である私たちは内観ばかりに気を取られがちですが、ビルオーナーは建物の外観にも気を配っています。 意外と盲点になるのはブラインドやカーテンの色。 外から見た際の窓の見た目が変わってしまうため、オーナーによっては快く思わないこともあると言います。 私たちのオフィスでは、すべてのテナントが同じ白いブラインドを使っていたため、木目ブラインドに変更するにあたって、慎重にビル管理会社と協議を重ねました。
天井パネルを外してスケルトン天井にするのは意外と簡単ではない
天井のパネルを外し、配管剥きだしにする。 たったそれだけで、頭上の圧迫感がなくなり、雰囲気も一変。 インダストリアルな空間には欠かせない天井のスケルトン化ですが、意外と板を外すだけ…ではありませんでした。
難燃素材でできた天井パネルを撤去するため、防災の観点から様々な調整が必要になります。 スプリンクラーの位置や数だけでなく、会議室等の個室を設ける都合上、一部の天井パネルは残さざるを得ないのですが、その場合、隙間からパネル裏に火が回らないような処置も必要になります。 また、梁に吹き付けられた耐火皮膜が剥がれ落ちることがないよう、コーティングや補強が必要になるケースも。
このため、施工の前例がないビルでは、オーナーが難色を示すケースもあります。
ここに挙げたのはあくまで一例ですが、まさかこんな制約があろうとは…素人には思いも寄らないことの連続でした。 せっかく考えたプランを1から練り直すのは大変極まりないですから、早い段階からビル側と緊密に連携していくことが肝心です。
さて、そんな自分たちのオフィスをも自分たちでデザインしちゃう クイックのWeb室のデザインチームに興味を持ったあなた、 まごころ込めて作ったオフィスでお待ちしています♥
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