クイック エンジニアリングブログ

株式会社クイック Web事業企画開発本部のエンジニアリングチームが運営する技術ブログです。

ファシリテーション上達のコツ

こんにちは! 最近料理の勉強を始め、レパートリーが増えていくのが楽しくなってきました、よっすぃです。

クイックに入社してから、会議や打ち合わせの場で司会・ファシリテーターをやらせていただくことが多いのですが、 ありがたいことに、沢山の方からファシリテーションスキルを教えてほしいという声をいただくようになりました。

そこで、今回はファシリテーターを担うときに、自分なりに押さえているポイントの中から、大事だと思っている点をピックアップして、みなさまにご紹介したいと思います。

お伝えしたいポイントは3つです。
・ゴールは「状態」を設定する。
・参加者の利害・関心に沿ったテーマで導入する。
・主役は参加者。ファシリテーターは聞く・待つ。

ファシリテーションスキルを高めたい、会議の参加者を巻き込んでうまく議論を進めていきたいという方は、是非お読みいただけますと幸いです。

そもそも、ファシリテーターの役割は何か?

ファシリテーターの役割はズバリ、「みんなで考えることによる良さを最大限に生かすこと」です。 f:id:aimstogeek:20190115081732p:plain

ビジネスにおける会議や打ち合わせは、課題を解決する、方向性を決めるなど、みんなの力を合わせて何らかの成果を生み出すために行われています。

本来は、みんなで集まって議論することで、
・沢山の視点で物事をとらえられる
・全員のコミットメントが得られる

といった効果が期待できますが、ともすれば、
・みんなの自己主張が強すぎて意見がまとまらない...
・声の大きいAさんの意見に流されてしまう
といった結果になってしまうことがあります。

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ファシリテーターの役割とは、会議の場で起こるリアルタイムの様々な問題を解消し、みんなで考えることのメリットを最大限に生かしていくことです。 まずは、この点を押さえていただくとよいと思います。

ゴールは「状態」を設定する

会議を行う際に、その会議のゴールを設定されていると思いますが、
「〇〇についてみんなに情報共有する」
「△△施策の進め方と方向性について議論する」
といった「~する」という形のゴール設定をされている方が多いのではないでしょうか。

みんなで集まって議論を行う目的は、会議の後みんなに何らかの(共通の目標に向けた)アクションをとってもらうことにあります。

そのためには、会議終了後みんながどうなっていれば具体的なアクションをとれるのかという「状態」をゴールに設定するとよいかと思います。

「〇〇についてみんなに情報共有する」

「〇〇について共有した内容をもとに、みんなが各自の役割と作業内容を理解し、着手を始められる状態」
「△△施策の方向性を決める」

「△△施策の方向性についてみんなが理解・納得できており、メンバー全員が実現方法を前向きに検討しようと思えている状態」

このように、状態を設定することで、会議の後どういうアクションに繋げていきたいのかをイメージしやすくなります。

参加者の利害・関心に沿ったテーマで導入する

会議や打ち合わせの目的は、会議前の参加者の状態を、ゴールに設定した状態まで持っていくことです。

そのためには、何について議論すればその状態まで持っていきやすいかを考えることが重要ですが、一つの方法として「参加者の利害・関心に沿ったテーマから議論する」というやり方があります。

例えば、あなたがある会社のIT部門のメンバーで、営業部に向けた新しいシステム開発について営業部長Aさんと検討していきたいとします。
ゴールは「新しいシステムを開発することの必要性を営業部長Aさんが理解・納得し、あるべきシステムの姿に向けて前向きに協力していこうと思ってもらえる状態」としましょう。

【導入1】

「既存のシステムのままでいた場合、ソースコードが読みにくくて今後メンテナンスをしていくのが大変になってしまうんです。 データベースも古くて運用しにくいので、どうにかしたいと思っています。 今のうちに対策を打ちたいと思いますので、システム改善に向けて一緒に考えていただけませんか。」

【導入2】

「既存システムのままでいた場合、今後営業メンバーが増加してデータが増えていくとシステムが重くなっていきます。 操作も複雑で教育コストがかかるため、営業部の売上にも影響が出てしまいます。 今のうちに対策を打ちたいと思いますので、ぜひ現場の声や営業視点でのご意見をいただき、システム改善に向けて一緒に考えていただけませんか。」

いかがでしょうか。
どちらも「システム改善が必要」という主張は同じですが、営業部の関心ごとである売上をテーマに導入した方が、営業部長も自分にとってのメリットを感じることができ、前向きに議論に参加できるかと思います。

主役は参加者。ファシリテーターは聞く・待つ

うまくいかないファシリテーションで起こりがちなのが、みんなが議論に参加する機会を奪ってしまうことです。
例えば、ファシリテーターが延々と話してしまったり、自分が考えているときに口を挟まれてしまったという経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

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ファシリテーターの役割は「みんなで考えることによる良さを生かすこと」ですので、主役は集まってくれた参加者です。一番よいのは、ファシリテーターが話さなくても、参加者だけでゴールに向けた議論が進んでいくことだと言えます。

もちろん議論が逸れたときに、ちゃんと本題に戻るよう促す必要はあります。
しかし、ファシリテーターにとって大切なことは、参加者みんなから出てきた意見をうまく使ってゴールに近づけることです。

・問いを投げかけた後、相手から意見が出てくるのを根気強く待つこと
・出てきた意見をよく聞いて(評価・分析するのではなく)その意見を生かすこと

これが、みんなの参加意欲を高め、活発な議論の場にしていくことに繋がります。

最後に

いかがでしたでしょうか。

会議に至った背景や参加者の人数などによって状況は様々ですので、必ずしもこの通りにやれるとは限りませんが、よりよい会議の場にしていくために意識しておくとよいポイントをお伝えしました。
少しでもみなさまのお役に立てば幸いです。

ファシリテーションはリアルタイムでの捌きを要求されるため、何より場数が命です。

色々な会議の場で自分から積極的にファシリテーターをやってみるなど、経験を重ねていくことが一番の学びになります。それを踏まえて、今回記載した内容などを意識していただくと、さらなるファシリテーションスキルの向上につなげられるかと思います。



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