今回は、エンジニア組織の立ち上げから、一気に採用を加速させて規模を拡大した話をします。
こんにちは。
「紙の書類って結局あとで見返すことないよなー。全部シュレッダーしちゃお!」って最近思っています。
WEB事業企画開発室マネージャーのnakayanです。断捨離が得意です。
ここ数年、「エンジニア採用が難しい。うまくいかない。」という話をよく耳にします。 なぜかというと・・・
採用に関する市況
2017年11月末データでは、中途採用における有効求人倍率が2.46倍。
その中でIT/Web系職種に限ってみると、なんと8.17倍です!(エンジニア以外も含む)
単純に考えて、IT/Web系職種の方が転職活動をすれば、8社の内定が出るという状況です。
参考(IT/Web系職種の中途採用有効求人倍率)
5年前:2.86倍
3年前:3.16倍
2年前:3.19倍
5年前はソーシャルゲームが急激に伸びてきており、DeNAさんやグリーさんが、転職エージェントに手数料100%を払ってでも採用競争を行っていた時期です。
これ以上加熱することはないと言われていたのですが、その頃が可愛く見えるくらい、現在は未曾有の状況です。
自分達も採用に苦戦していることに変わりないのですが、取り組みの中でうまくいっている部分や意識していることをお伝えすることで、少しでもエンジニア採用を成功に近づけるヒントになれば嬉しいです。
クイックのエンジニア組織の略歴
夜明け前
nakayanが入社する前からのことですが、エンジニアは2名でした。
この2名は開発を行っていたわけではなく、データ抽出・加工やヘルプデスク対応がメインで、一部業務システムの企画という感じです。
黎明期(4年前~2年前)
開発エンジニアとインフラエンジニアが入社。
要件定義や詳細設計に関しては社内で行うようになり、開発リソースのみを外注で確保する体制になりました。
サーバの設計・設置・運用を委託していた状態から、完全内製(自社での設計・運用)に切り替わりました。このタイミングで、サーバはオンプレからクラウドへ移行しています。
一応求人募集はしていたので、その後もちらほらとエンジニアが入社し、「エンジニアも増えてきたねー」という段階。
成長期(1年半前~現在)
事業成長のさらなる加速を意識し、将来を見据えた組織体制を本気で考え始めたことをきっかけに、開発も含めた完全内製を実現できる組織を目指すことを決断しました。
具体的には 下記のような内容を経営陣にプレゼンし、積極採用の理解を得るに至りました。
- 自社サービスを複数展開していく上で、外注の開発リソースだけではスピーディな対応に限界がある。
- これまで強みとしてきたマーケティングのノウハウを活かし、ユーザーニーズを的確に捉えながら開発スピードと品質向上の両立を実現する。
- 内製開発をベースとし、技術ノウハウの蓄積を行うことで効果的に外注を併用していく体制を実現する。
- あらゆる業界でIT・Webがビジネスの根幹となっており、各社、内製化へと舵を切っている状況にある。
- 転職市場でIT・Web系人材の採用は激化しており、現時点でも人材不足が叫ばれ、この先さらに加速する。
- 手遅れになる前にWeb開発の内製化を進め、新卒でも採用・育成していけるような体制の構築、中途採用でもIT・Web系の人材が入社したいと思えるような組織・風土づくりを進めていく。
- 将来の企業成長・事業拡大を目指すにあたり、「既存サービスの成長を牽引」「新規事業・サービスの創出」「社内インフラの整備・構築(セキュリティ含む)」など、デジタル変革によって高い成果を出すことのできる組織をつくる。
こういった経緯から採用を加速させ、試行錯誤しながらも多くの仲間を迎え入れることができました。
まだまだ拡大成長の初期段階だと思っていますが、1年半前と比べて約6倍の規模になっています。
現在の組織構成
あまり詳細をお伝えできないのですが・・・
「エンジニア組織」と言いながら、厳密にはエンジニア以外の職種も含んでいます。
でも大半はエンジニアです。
職種はこんな感じ
- Webアプリケーションエンジニア
- フロントエンドエンジニア
- インフラエンジニア(SRE)
- iOSアプリエンジニア
- Androidアプリエンジニア
- データエンジニア
- システムアーキテクト
- システムアドミニストレーター
- Webディレクター(Webサービスプランナー)
- Webデザイナー
色々な職種が集まっているので、勉強会でそれぞれの知識やスキルを共有したり、プロジェクト(プロダクト)ごとに連携するような体制になっています。(まだまだチューニング中)
採用のコツ
ここからが本題です。
採用の事前準備
募集したいポジションの要件を明確にする
スキル・経験においての必須要件を明確にしないと、エンジニアの方には響きません。
(例)PHPでのWebアプリケーション開発経験2年以上
要件定義~設計などの上流工程経験3年以上
など
また、開発環境・作業環境を記載しておくことも重要です。
(ある程度整っていないと記載できないですが。。。)
「開発環境」「作業環境」というのは、以下のようなものを指します。
求人の募集内容は、社内のエンジニアに協力してもらって、きちんとエンジニアに響く内容に落とし込む必要があります。
採用経路
色々な採用の手段がありますが、営業などのビジネス職とWeb系職種の経路はかなり異なります。
求人メディア
- Wantedly
- Green
など
転職エージェント
リファラル
- 自社の社員紹介
SNS
弊社の採用実績としては、自分たちが同業であるということもあって、転職エージェントをうまく活用した採用がここまでは功を奏しています。
次いで求人メディアでの採用が多くなっており、一部リファラルでの採用もできつつあるという状況です。
一般的には、Web系職種の方はエージェント経由よりも自分たちで転職活動をしている傾向もありますので、SNSや求人メディアを有効活用することが重要になってきます。
もちろん、転職エージェントからも多数の推薦をいただけるので、うまく併用していくことが求められます。
弊社としても、まだまだWantedlyやSNSを活用しきれていない状況なので、ここはさらにパワーをかけて試行錯誤していく必要があると感じています。
選考(面接)
面接回数は極力少なくした方が、応募者にとっては良いです。見極めは難しくなりますが、面接は1回が理想です。
それが難しい場合は、2回には抑えないと採用確率は大幅に下がります。
というのも、転職市場は超売り手市場であり、多くの企業(特にWeb系のスタートアップなど)は一発面接でスピーディに選考を進めます。
何なら書類選考とか抜きに「とりあえず会ってお話してみましょう」のその場で決まります。
書類選考で1週間、1次面接で1週間、2次面接で1週間、最終面接で1週間のように、1ヶ月もかけていると「他の企業に決めました」となってしまします。
選考ステップが多いことも問題ですし、応募者への連絡が遅いことも大問題です。
応募者の方からすれば「連絡が遅い=あまり自分に興味ないのかな」という意図で伝わります。
面接内容
もちろんスキルや経験はお伺いしますが、いかにも面接という形式ではなく対話を重視します。
人となりやコミュニケーション、自社のチームや文化にフィットするかが重要です。
そして、エンジニアが面接をする、もしくは同席するべきです。
技術のことをまったく分かっていない人が面接をすると「この会社大丈夫かな?」となってしまうので、エンジニア同士で技術的な話題で盛り上がれる方が良いです。
ちなみに、私が採用時に一番意識して見ているポイントは以下です。
- 素直さ
- 成長意欲(向学心)
- 責任感(継続力、成し遂げる力)
あとは自分達が大切にしている、以下に共感し体現してくれるかという点もプラスで見るという感じです。
- 適応力(チームワーク、柔軟性)
- 顧客第一(ユーザーファースト)
先ほど「いかにも面接という形式ではなく対話」と表現したのは、一方的に質問をして聞くのではなく、こちらの熱意や思い、自分達のこともしっかりと知ってもらう必要があるということです。
例えば、
- 具体的に担当してもらう業務
- チーム体制
- 期待していること
- 会社として・事業としての未来、目指していること
- 面接官自身の考えやビジョン
これらを理解・共感してもらって、「一緒に働いてみたい」と思ってもらえることが理想です。
入る前と入った後でのギャップを限りなくゼロに近づけていくための努力をします。
面接だけに限らず、場合によっては一緒に飲みや食事に行き、フォーマルではない場でお互いの素の姿を知ることも重要だと考えています。
どんな採用でも言えることなのですが、「一緒に働きたいと思えるか」。
これがすべてだと思います。
伝えたい事が多すぎて
もっと色々お伝えすべきポイントはあるのですが、今回は概要ということで本当にあっさりとした表面上の内容になってしまいました・・・
とにかく、採用にはものすごく時間とパワーとお金がかかります。
かなりの覚悟を持って臨まないと、何となく「いい人採用できたらいいなー」では絶対に成功しません。
詳細はまた別の機会にお伝えしたいと思います。
それではまた(_´Д`)ノ~~
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